- SSPプロジェクトは階層(社会的な立場の上下)と社会意識(ものの見方や考え方)の関係に実証的に取りくむ包括的な研究者組織として2011年に新たに立ち上げられました。
SSPという略称はStratification and Social Psychologyの頭文字をとったもので、正式名称は「階層と社会意識研究プロジェクト」です。
- わたしたちは、階層と社会意識の関係を糸口にして、日本社会がどこへ向かって進みつつあるのかを把握することを目指します。この目的のために、2015年に第1回SSP調査(階層と社会意識全国調査)を実施しました。2022年には第2回SSP調査を実施しました。 この大規模でシステマティックな調査データにより、 政策、文化、産業のあり方を考えるベースとなる知見を現代社会に提言します。
- プロジェクト調査データ
- わたしたちは、2010年以来8つの全国調査を実施し、そのデータを研究メンバー内で共有して分析を行ってきました。そのデータは東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター(SSJDA)に寄託しています。その知見をもとに、2022年には第2回SSP調査を実施しました。
- 階層意識研究会
- プロジェクト調査データの分析にとどまらず、SSM調査データなどの既公開データを比較対象として二次分析を進めています。 メンバーは最新の研究成果を持ち寄って研究会を開催して討議しています。
このプロジェクトは、文部科学省科学研究費補助金研究 基盤研究(A)「階層意識全国調査の時系列データの収集と標本抽出WEB調査法の確立」(19H00609 研究代表者:吉川徹)および基盤研究(B)「社会的危機状況下における人びとの意識の変容とその階層差に関する社会学的解明」(21H007 研空代表者:数土直紀)により進められています。現在は、調査計量社会学に関心をもつ50名ほどの専門研究者が連携し、階層意識研究会を組織しています。
- プロジェクトリーダー
- :吉川徹(大阪大学教授)
- プロジェクト拠点責任者
- :数土直紀(一橋大学教授)、前田忠彦(統計数理研究所准教授)、ホメリヒ・カローラ(上智大学准教授)、神林博史(東北学院大学教授)、小林大祐(金沢大学教授)、永吉希久子(東京大学准教授)
- 連携研究メンバー
- :中井美樹(立命館大学教授)、小林盾(成蹊大学教授)、川端亮(大阪大学教授)、三谷はるよ(龍谷大学准教授)、石田淳(関西学院大学教授)、松谷満(中京大学准教授)、阪口祐介(関西大学教授)、赤枝尚樹(関西大学准教授)ほか総計約50名
SSP-P2010 コードブック SSP-I2010 コードブック SSP-W2012 コードブック SSP-W2013 1st コードブック SSP-W2013 2nd コードブック 第1回SSP調査報告書(SSP2015 コードブック) SSP-W2018報告書(SSP-W2018 コードブック) SSP-W2020 1st 報告書(SSP-W2020 1st コードブック) SSP 2022 調査報告書 SSPプロジェクトクレジット
わたしたちは、現代日本人の日々の暮らしぶりが、ものの見方や考え方(社会意識)をどのように形作っているかを調べています。とりわけ現代産業社会の中での位置づけ(階層)と、日本人の「社会の心」(社会意識)の関係を読み解いて、「総格差社会日本」がこの先どのように進んでいくのかを明らかにすることを重要な目的としています。SSP調査(「階層と社会意識全国調査」)は、この目的のために設計された学術的な社会調査です。
2022年に実施する第2回SSP調査は、日本全国200地点で25歳から64歳までの総計6000人の方を対象とする大規模調査です。調査の対象となる方は、全国の自治体に申請して、名簿(選挙人名簿もしくは住民基本台帳)からくじ引きのような方法で選び出させていただいています(層化多段無作為抽出)。日本社会の正確な姿を偏りなく知るためには、他の方に代わっていただくことはできません。
第2回SSP調査を実施するのは2022年の1~2月の指定された期間です。
対象となる方には、あらかじめ調査協力をお願いするハガキを送付したうえで、調査依頼文をお送りします。対象となった方には、案内に従って、オンライン回答サイトにお進みいただき、スマートフォン又はパソコンで回答を入力していただきます。調査にご協力いただいた方には、些少ではありますが、定額の謝礼品(QUOカード)をお渡しします。
全国の回答者から得られたデータは、例えば「○○という回答が△△%」というように全て統計的数字にまとめて分析します。わたしたちの研究では、ある方がどのように回答されたのか、という個人を特定した分析は一切行いません。
調査結果は、研究者による分析と討議を経て、国内外の学会での報告、学術論文、書籍などにまとめられます。これらは政策のあり方を考えるためのエビデンスとしてホームページ、一般向けの著作、マスコミなどを通じて、広く社会に還元されます。
現役世代を対象とする調査となりますので、どなた様も日々お忙しくされていることと存じます。また、様々なご心配やためらわれるお気持ちもあることと拝察いたします。日本社会の正確な姿を学術的に明らかにする学術的な目的をご理解いただき、どうか本調査にご協力くださいますよう心よりお願いいたします。
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11個の○印が形づくる上下逆向きの2つのトライアングルは、一方が階層構造を、もう一方が社会意識を意味しています。中央の1つの○印は、両者のミッシング・リンクをつなぐ本プロジェクトの位置づけをあらわしています。
同時に、2つのトライアングルは、過去の社会調査データ蓄積と未来の社会調査研究の進展も意味します。中央のひとつは、それらを接続する本プロジェクトの役割を象徴するものです。
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